『長い散歩』
昨日のYahooニュースの見出しに「虐待増え養護施設パンク状態」、とあった。
児童養護施設の説明として「保護者がいない、育てられないなどの理由で家庭で生活できない子どもが暮らす」とある。現在3万人の子が入所しており、その内5割の子が虐待を受けた経験があるとのこと。
奥田瑛二監督『長い散歩』に登場する5歳の女の子、幸(さち)も実母から暴力とネグレクト(育児放棄)の虐待を受けている。またこの少女は同居する母親の若い愛人からも性的暴力の可能性を感じ取り怯えている。
緒方拳扮する元校長、安田松太郎は少女を暴力下から連れ出し「ほんものの青い空」を見せる為に連れ立って旅に出る。
松太郎にとっては、大切な家族であったはずの妻をアルコール依存症から死へ追いやり、娘から「人殺し」とののしられるようになってしまった自分の来し方を見つめ直す旅でもあった。
子どもの虐待という深刻な社会問題を扱いながら、映画全体から受ける印象はファンタジックなもの。
その要因のひとつと思われる、散りばめられた美しい自然には惹かれるが、ストーリーや細部がリアリティに乏し過ぎることはとても気になった。
ファンタジックな要素も含めてさまざまな救いをもたせた展開(たとえば幸が声を上げて笑うようになる、旅の具体的な目的「ほんものの青い空とわたあめのような雲、白い鳥」を見ることを果たす、刑事が2人の心情を理解するなど)は鑑賞している私にも大いに救いとはなったのだけれど、そうした中でなぜか1人の若者には死を選ばせいる。
旅の道連れとなるワタルというザンビアからの帰国子女(男の子)、貧困やエイズ、紛争で毎日バタバタと人が死んでいくのを目の前で見てきた若者は日本の社会に馴染めずにいる。
そのワタルが彼を慕う幸(と松太郎)の前でピストルにより自死を遂げてしまう。
もっと説明がほしい場面、逆にこれは余分かな、という場面は少なからずあるけれど、この若者の死が一番(不自然で)不本意。死なせたくはなかった・・・。
(松田翔太が演じる魅力的な子だった)
また私は実際に虐待を受けている場面(壁越しに)やその子に接したことがあるのだけれど、胸がひきさかれるような苦しさと痛みに襲われた。この映画の虐待場面ではそうした感情は全く湧き上がってこない。これもまた「救い」なのだろうか?
さて、テーマもさることながら、緒形拳ファンとしては期待十分での鑑賞。「緒形拳を主役にした映画を撮りたかった」と監督は語っていたのだ。
だけど・・・熱演ではあったけれど、独特の凄味に欠けていたところがちょっと残念かな。
とはいえ総合的には「現実はこんなもんとちがうやろ~」とつっこみたくはない、ひとつの作品としてのおもしろさがあると思う。
映画は松太郎が刑務所から出所するシーンで終わる。(でもこの犯罪、実刑にはならんやろ~?)
松太郎のどこか吹っ切れたような表情を見ながら、あの少女は再び家庭で虐待にあっているか、または児童養護施設に入所となっているのだろうなぁ、とたちまち実際的な思いに心は飛んでいった。
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鑑賞日 1月25日
感 想
予告で見て面白そうだったのと海外でグランプリを取ったので見たかったのですが、良かったです。中だるみもなく一気に見れて、後半は泪無しでは見られませんでした。
子役がいいんです!凄く上手!!緒方拳さんも非常に良かっ... [続きを読む]
受信: 2007年1月25日 (木) 21時19分
» 「長い散歩」 桜坂劇場にて [那覇TekTek]
この映画は他の映画での劇場予告をみて「よし見よう。そして泣こう。」と決めてた映画です。
時々わざと、「泣ける映画」を選ぶのです。
カタルシス効果を狙って。
これが結構ストレス発散になります。... [続きを読む]
受信: 2007年2月15日 (木) 02時00分
» 長い散歩 [ネタバレ映画館]
主人公は安田松太郎。一瞬でもサッカーを思い浮かべると、松木安太郎の名と混同してしまう・・・ [続きを読む]
受信: 2007年2月23日 (金) 21時17分
» 『長い散歩』 [京の昼寝〜♪]
人生は長い散歩愛がなければ歩けない。
■監督・原案 奥田瑛二■脚本 桃山さくら、山室有紀子 ■キャスト 緒形 拳、杉浦花菜、高岡早紀、松田翔太、原田貴和子、木内みどり、津川雅彦、奥田瑛二
□オフィシャルサイト 『長い散歩』 主人公の安田松太郎(緒形 拳)は、高校の校長を定年退職した厳格な教育者。 しかし、幸せな家庭を築けず、アルコール依存症だった妻(木内みど�... [続きを読む]
受信: 2007年2月23日 (金) 22時26分
» 【2007-5】長い散歩(a long walk) [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
人生の悔いを背負った男、松太郎
天使の羽根を背負った 傷ついた少女
男は少女を救い出し、一緒に旅に出た
しかし、社会はそれを誘拐と呼んだ
人生は長い散歩。
愛がなければ歩けない。
... [続きを読む]
受信: 2007年2月23日 (金) 23時54分
» 「長い散歩」雨に濡れ [再出発日記]
監督・企画・原案:奥田瑛二脚本:桃山さくら、山室有紀子出演:緒形拳、杉浦花菜、高岡早紀、松田翔太、原田貴和子、奥田瑛二定年まで高校の校長を務めた松太郎は、妻をアルコール依存症で亡くし、ひとり娘とも絶縁状態。家庭を顧みなかった過去の自分を後悔しながら、安...... [続きを読む]
受信: 2007年2月25日 (日) 00時41分
» ザンビアのお話し [英会話プライベートレッスン・英語個人レッスン・マンツーマン英会話 ETC]
070302.mp3 英語があと少しだけ理解できたら、どんな世界が広がるのでし... [続きを読む]
受信: 2007年3月 2日 (金) 22時51分
» 『長い散歩』 [アンディの日記 シネマ版]
感動度[:ハート:][:ハート:] 2006/12/16公開 (公式サイト)
泣き度[:悲しい:][:悲しい:]
満足度[:星:][:星:][:星:]
【監督】奥田瑛二
【原案】奥田瑛二
【脚本】山室有紀子/安藤和津/安藤桃子/安藤サクラ
【主題歌】UA 『傘がない』
【時間】136分
【出演】
緒形拳/高岡早紀/杉浦花菜/松田翔太/大橋智和/原田貴和子/木内みどり/山田昌/津川雅彦/奥田瑛二
<ストーリー>
定年まで高校の校長... [続きを読む]
受信: 2007年3月17日 (土) 02時36分
» mini review 07034「長い散歩」★★★★★☆☆☆☆☆ [サーカスな日々]
カテゴリ
: ドラマ
製作年
: 2006年
製作国
: 日本
時間
: 136分
公開日
: 2006-12-16〜
監督
: 奥田瑛二
出演
: 緒形拳 高岡早紀 松田翔太 原田貴和子 木内みどり 津川雅彦 奥田瑛二
妻をアルコール依存症に陥らせて亡くし、娘の憎しみを買い、家庭の和を築くことができなかった安田は、定年退職を期に小さなアパートに独り暮らし始めた。安田の隣に住むのは母子家庭の母子。激しい虐待を繰り返す母親から幼�... [続きを読む]
受信: 2007年3月20日 (火) 10時51分
» 長い散歩 [Movie] [miyukichin’mu*me*mo*]
映画(DVD)「長い散歩」(奥田瑛二:監督)
長い散歩 プレミアム・エディションジェネオン エンタテインメントこのアイテムの詳細を見る
奥田監督の監督3作目で、
2006年モントリオール世界映画祭で
グランプリほか3冠を受賞した作品。
妻亡き後、アパート暮らしを始めた安田松太郎(緒方拳)。
元高校校長の彼は家庭でも厳格すぎたため、
妻はアルコール依存症に陥り、娘からは憎まれている。
そんな自分の過去を清算し、贖罪したい松太郎が、
隣室で虐待されていた幼女サチを連れ、
青い空... [続きを読む]
受信: 2007年7月30日 (月) 00時52分
コメント
実刑・・・幼児虐待から救ったと証言すれば、まずありえなさそうな実刑判決でしたよね。三月以上七年以下の懲役というのが判例らしいけど、情状酌量が加わるだろうから余程弁護士がしっかりしてなかったというところでしょうか・・・それとも虐待の事実は隠し通したか・・・
投稿: kossy | 2007年2月23日 (金) 21時23分
kossyさま、コメントありがとうございます。
つっこみ、深いところまで追求されますね。
裁判というものが正義によって裁かれないということは、『それでもボクはやってやってない』で鮮やかに見せてもらいましたけど・・・、それにしてもこのケースで実刑はちょっと考えにくいです。
松太郎にはひとつのことを為し終えたというある種の満足感はあるでしょうが、幸にとっても松太郎との旅が生きることの支えになっていく、と信じたいです。
投稿: りん | 2007年2月24日 (土) 16時37分
TBありがとう。
松太郎のその後はどうなるんでしょう。
静かに余生を暮らすのか。もう一度、娘のところに帰るのか。サチに会いに行くのか。いろいろ、考えさせられはします。
投稿: kimion20002000 | 2007年3月21日 (水) 22時08分
kimion20002000さん、こんばんは。
コメントいただきありがとうございます。
松太郎のその後、サチの生きていく道のり・・・、本当にいろいろ思いを馳せてしまいます。
子どもへの虐待は確実に増えているように思います。親たちにもとっても、生きていくことも子を育てることもむつかしい社会になってきたようです。
投稿: りん | 2007年3月22日 (木) 01時11分
こんばんは♪
TBどうもありがとうございました。
サチはあのあとどうなったのでしょうね。。
幸せであってほしいと祈るばかりです。
投稿: miyukichi | 2007年8月 3日 (金) 01時45分
miyukichiさん、こんばんは。
サチもお母さんも幸せであってほしいですね。
鑑賞から随分日が経っていますが、コメントいただいてまたくっきりといろいろなシーンが浮かび上がりました。
空と山、きれいでした。
投稿: りん | 2007年8月 4日 (土) 23時58分