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2007年3月 8日 (木)

『教室の悪魔』

教室の悪魔 毎日のように報道される「いじめ」や「いじめによる」自殺。
詳しく伝えられているようでいて、いつもどこか釈然としない。

よく言われるように、昔からいじめはあった。
なぜ今の子どもたちは死に至ってしまうのか?
なぜ周りの大人たち(教師や親など)は「いじめ」に気付き、手をうつことができないのか?
必ず「二度と起きないように」の言葉で結ばれるのに、それに向けての具体的な記述に乏しい・・・。

『教室の悪魔』東京児童相談センター心理司 山脇由貴子著は、それらの疑問にほぼ答えてくれる。
親や教師のように子どもの生活に直接関わらない立場であればこそ、聴く事ができた子どもたちの生のうめき声。
(もちろん高い専門性や子どもの信頼を得る人間性があってこそだけど)

・今の「いじめ」は、その残酷さにおいて昔からあるものの比ではないこと、
・大人たちに気付かせないように、実に巧妙にかつ効果的にしくまれていること、
・それでも解決に導くことは可能なこと、

どれについても具体的にわかりやすく書かれているので、壮絶としか言いようのない実態、合わせて解決への可能性が確実に伝わる。

大切なのは、混同されがちな「いじめの解決に取り組むこと」と「責任を追及すること」を明確に区別すること。
大人は「責任を追及すること」に思いがいきがち、それが解決につながるとさえ思ってしまう。
だけど、子どもを救おうとするならまずは「いじめの解決に取り組む」為に教師と親が共同行動をとることこそ最優先されるべきとスッキリ理解できる。

学校に通う年齢の子どもをもつ親には必読の書。(もちろん先生たちにも読んでほしい。)
今や子育てには、「いじめ」を正しく理解することは欠かせない。

では、たとえば私のように子どもたちが大きくなれば「いじめ」は関係ないか?と言えば全くそうではない。
序章から抜粋。
【いまの子どものいじめのパタンを見ていると、大人社会をモデルにしているとしか思えないものがたくさんある。子ども達は、あらゆるメディアや通信ツールを使って、大人たちの負の側面を驚くべき速さで吸収し、濃縮し、持ち前の柔軟さで残酷な「いじめ」の手段を開発し続けている。」

子ども達に広がる深刻な「いじめ」は、大人社会のいびつさを映し出したもの。
子ども達にとってはもちろん、大人にとっても穏やかな心で生きていくことのできる社会に少しでも近づけていく責任はすべての大人にある。

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