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2010年3月 1日 (月)

命の炎は美しい

土曜日の夜、奈良に住む夫の父が倒れたと電話が入った。
救急車はすぐ到着したが、受入れ先がなかなか見つからないとのこと。
2時間半後くらいに和歌山県病院に搬送先が決まったとの再連絡に、すぐネットで所在地を調べ夫と共に病院に向かった。

義父は今も、ナースステーション横「観察室」のベッドの上にいる。
看護士の強い呼びかけに時に反応を見せる。左の手足は「握って」や「曲げて」などの要求にある程度こたえるが、右手、右足の動きはおぼつかない。
視線は定まらず、言葉が出ることはない。
意識混濁というのか、ほとんどの時間は眠っているかのように見える。
それでも、私はその義父の姿を半ばうっとりと見つめる。
生気のある顔色、はっきり聞こえる呼吸音、たとえままならないものであるとしても動きを見せる手足・・・。

私が過去に聞いた「倒れた」は、すべて「最悪の事態」につながった。
父は心肺停止状態。病院で蘇生したものの意識も戻らず、68歳でその夜に逝った。
58歳の兄も、そのまま逝った。
小学校からの友人が、帰らぬ人となってから1年も経っていない。
「倒れた」の言葉は、私にすぐ、微動さえしない土気色の冷たい亡骸を思わせる。

でも、倒れた88歳の義父は生命の火を灯している。
私がうっとりと見つめるのは、きらめくその炎なのだろう。
生きていることは美しく、それ自体が「希望」なのだ、と思う。

現実的には、当面の24時間付き添いなどあり、少ない人数で組むローテーションは厳しいけれど、そのメンバーの一人であることがうれしい。
過去に、「もう何もしてあげることができない・・・」という辛さを幾度味わったことだろう。
父や兄に何もできず、母や友人にも残る悔いを、義父のことで少しは埋めることができるかもしれない。

お弁当
これは、今夜の付き添いに入る夫のために用意したお弁当。
夫が早帰りする頃、私は仕事だから手紙を添えて置いておいた。
久しぶりのお弁当作りに気持ちがはずんだ。
明日は私が夜の付き添い、自分の為にも作ろうかな。

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コメント

 お義父様、お大事になさってあげて下さい。付き添いの皆様も、くれぐれもお疲れが出ませんように・・・。

投稿: ともしび洞 | 2010年3月 1日 (月) 22時33分

ともしび洞さん、ありがとうございます。
昨夜の夫からの連絡によると、義父はぐんぐんと回復の兆しを見せているようです。まだまだ予断を許す状況ではないでしょうが、付き添いのしがいがあるというものです。と、こんな風に張り切りすぎるとすぐ疲れちゃうんでしょうね。気をつけるようにします。ありがとうございました。

投稿: りん | 2010年3月 2日 (火) 07時29分

お父様,快方にむかわれますように。皆さんも大変でしょうが,お大事になさりながら,できるだけのことがしてさしあげられますように。ほっとお一人の時間もとってくださいね。

投稿: KATEK | 2010年3月 3日 (水) 23時51分

KATEKさん、こんばんは。
お気遣いありがとうございます。義父はめざましい回復を見せています。88歳の心身に宿るパワーに感心しっぱなしです。
オリンピックをほとんど見なかった私が言うのもなんですが、鍛えられた若い身体の躍動も美しいですが、老いた身体の動きもこれまた美しいものです。義父を見ていて初めてそのことを知りました。

投稿: りん | 2010年3月 4日 (木) 21時15分

りんさん。こんにちは。めざましい回復とのこと。よかったです。人間の力ってはかりしれないものなのですよね。きっと。このまま春と一緒にあったかい日差しを浴びながら,地球からのエネルギーをたくさんいただいてください。りんさんもね。

投稿: KATEK | 2010年3月 8日 (月) 16時31分

KATEKさん、こんばんは。
春の日差しもですが、KATEKさんのお言葉もあったかい、です。ありがとうございます。

>人間の力ってはかりしれないもの
病後すぐの義父のそばにいるとき、意思を超えた所で老いた身体が懸命に「生きよう」としていることを感じました。
人間の力というより、命に宿る何か神聖なものの力のような気がしています。

投稿: りん | 2010年3月 8日 (月) 23時01分

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