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2011年5月17日 (火)

馬は温かい

3ヶ月前には考えもしなかったことを始めている。
80歳を幾つか越えた女性の方としばしば話す機会があり、その方の趣味は何と?乗馬だった。
馬のことを話されるときの表情、声の調子が実に晴れやか。

「馬に揺られていると、心と胸のあたりがスーとする」
「もうかわいくてかわいくて、子どもよりかわいい」
「馬はあったかくて、触っていると心までポカポカしてくる」

寡黙な方が、とつとつと語られるその言葉ひとつひとつに魅入られ、生まれて初めて「馬」というものに興味をもった。

その気になったときの私の行動は早い。
さっそく体験乗馬に参加して馬との相性が「最悪」でないことを確認したのち(やっぱり少しは迷ったけれど、乗馬クラブの会員となった。

なぜ突然そんな心境になったのか、自分でもなかなか説明がつかない。

でも、馬のことを聞いたのが、筋を通した生き方をされてきた(よくは知らないがそんな印象を受ける)あの老婦人でなかったら、あるいは人生観をも大きく変えたあの東日本大震災が起きていなかったら、まるでたぐり寄せられるように「乗馬」に近づくことなどなかったことは確かだと思う。
つまるところ「縁」があったのだろう。

(もちろん、やっと子どもたち全員が自立したこと、乗馬クラブが自転車で通える位置にあったことなど、現実的な要因も大きい。)

さて、その馬だけど、4回目の騎乗でやっと「心と胸のあたりがスーとする」という感覚がちょっとだけわかりかけてきた。

今まではおとなしい馬ばかりだったから(そりゃ、乗馬クラブの方も年配者にいきなり、やんちゃな馬をあてがわないだろう)なんだか乗せてもらっている感じ。
でも前回の馬は駆けてくれたから、馬上の私も駆けた!
馬が走るその振動に身をまかせ、といってもまだ上手にバランスを取ることができないから、不器用に身体を上下させながら馬上で風を切った。
「あぁ、落っこちる、落っこちる!」と思いつつ、駆ける馬が刻む(機械的でない)動きのリズムに身体をゆだねると、一瞬心と身体が解き放たれるよう。

そう、残念ながら今の技量では、駆けるのはほんの一瞬。
長く続けるとホントに落っこちそうなので、すぐに「ハイ、たずなをゆるく引いて!」とインストラクターから指示がでる。

「かわいくてかわいくて」ほどの思いは・・・まだない
前回の馬は勢いがあったのは良かったけど、噛む癖があったから少々ビビッたし・・・。

馬の横に立つと(馬の大きさにもよるけれど)、たいてい私の顔は馬の首あたりにくる。
顔をなぜたり首をトントンたたいて、馬に挨拶やお礼は欠かさないのに加えて、つい頬を馬の首にすり寄せることをしてしまう。
老婦人が言われたように、馬は本当にあったかい。
柔らかい毛を通して伝わる温かさは、こたつやゆたんぽのものとはまた違う。
あたたかい命そのものに触れている感覚。

こうして馬と共に過ごす時間は、私の生活の一部になりつつある。(月に3時間足らずだけど・・・)
何十年も生きてきて1回もその気にならなかったことに、ふと心誘われ、はまっていく不思議。

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コメント

馬は温かい。そして美しい。
馬、大好きです。好きなので子供の名前にも馬の字を使っています。
好きなので、あれこれお話したくなってしまいます。
乗馬も若い時に少しだけやったのですがいろいろなことで続けられず。
ちょっとだけりんさんが羨ましいです。
ちょっとの時間かもしれませんが
これからも
馬との生活を楽しんでください。

追記
蒙古野馬という馬がとても好きです。

投稿: もりゆ | 2011年5月17日 (火) 23時26分

もりゆさん、こんばんは。
そうですか。お馬さん、大好きですか。
ちょっとだけ私もうらやましいです。私はまだ?大好きの領域に入っていませんから。
今日はレッスン日でしたが、馬の種類はわかりませんがポニーでした。
初心者のレッスンによく登場する馬とはいえ、下手な乗り手なのに私は大きい馬が好きです。
蒙古野馬というのは、モンゴルの馬ですか?
乗馬クラブでは毎年、「モンゴルの草原を馬で駆ける」というツアーがあるそうです。
5年か10年くらい経ったら行けるかな?
もりゆさんも子どもさんが成長されたら、また始めることができるかもしれませんね。
随分前になりますが、友人も自分もやりたかったのに小さな娘二人に乗馬をさせていました。
親って、そんなもんですね。

投稿: りん | 2011年5月19日 (木) 21時16分

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