2008年12月19日 (金)

帯のリフォーム

和裁の仕立てをしていた母は今の時期であれば、朝から深夜まで針を動かし続けていた。
30日頃までに全て仕上げ、それから一心不乱に大掃除。
きれい好きで掃除上手だった。
そんなことを思い出しながら、私はと言えば空いた時間にのんびりとお裁縫。

「熱いグラタン皿を置くマットを帯地で作ろう!」と思い立つと、いつものことながら「やりたい事を最優先」
掃除もそっちのけで取りかかった。
一度ほどいて洗っておいた母の細帯を裁断し、キルティングをはさむ。
裏には白い帯芯をそのまま使いステッチでかがる。

和裁ばかりではなく、洋裁、編み物にも才があった母の素質は残念ながら受け継がなかったようで、出来上がりはこんなもの。
マット

さっそくグラタンを作ってのせてみた。う~ん、いい感じ。(と自己満足)
グラタンとマット

ついでに、幅の広い帯を作って愛用の小ぶりのそばがら枕も縫い変えた。
帯の布は目がつまっているので、そばがらがきれいにおさまる。
画像はないけれど、白い裏地でカバーも作った。
裏とはいえ絹。そばがらと絹のやさしさが心地良い眠りを誘ってくれそう。
そばがら枕

あぶなっかしい手つき、整わない針目、そして手をつけない大掃除に、「あれまぁ」とあきれかえっているだろう母が夢に出てくるかな?

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2008年6月19日 (木)

カーテンができた。

トイレのカーテンを替えようと思い立って数か月。一日延ばしだったけど、ななぼうさんの「カフェカーテン」に触発されてやっと作り上げた。
(あちらはプロ、こっちの器用さは「中の下」、決して比較しないでくださいね。)

もっとも「作り上げた」などというほどたいそうなものではない。
もともとかかっていた生成りのレース模様のあるカーテンを利用した。

裁断し上部と下部に分け、上部の棒を通す部分はそのまま利用して窓のカーテンに。
窓のカーテン
下部は棚のカーテンにして、棒通しは市販のレースを使った。
棚のカーテン
ついでに、今まで使っていたペーパーホルダーも、同じ布でカバーリング。

落ち着いた色調のシルク紬と化繊の生成りレースとの組み合わせは、結果を見るまではちょっとドキドキだったけど、大いに満足。
トイレの雰囲気が一変し、和調でありながら華やかさがある。(トイレに華やかさはいらない・・・?)
おまけに、今まで使っていたものも処分しなくて済んだし、簡単な直線縫いだけでできたし。

でも、ただひとつの気がかりがある。
母が遺した着物を何かに利用したい、と始めたリフォームだけど、最近になって母の思惑が少々気になってきた。

たとえば、このカーテン。
お気に入りだった(おまけに自分で丁寧に縫い上げた)上質の着物が、「トイレカーテン」に変身したのを見て、天国で嘆いているのでは?

「利用」することばかり考えてしまい、なぜそのままの形で慈しもうとしなかったのか、とちょっと後悔するところがある。
たとえ着なくても、時々取り出しては、眺めたり、手触りを感じたり、の方が母の思いに添っていただろう、と今では思う。
でもね、時すでに遅し。もうほとんどの着物をほどいちゃった・・・。

「おかあちゃん、こんな娘でごめんね」と詫びながら、丁寧にできるだけ美しいものに変身させてやるしかない。
(下の画像が元のカーテン)
元のカーテン

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2008年2月18日 (月)

「躾」から、お裁縫

前回書いた、内藤寿七郎さん著の『子どもの「花」が育つとき』で「躾(しつけ)としつけ糸」の話はとても興味深かったけれど、気持ちは「躾」より「しつけ糸」に入ってしまったよう。
無性に縫い物がしたくなった。
もっとも、これはきっかけとなっただけ。
母や自分の着物をほどいて水洗いしアイロンをかけた布が引き出しにびっしり入っており、これがいつも私を誘惑している。

引き出しの布を選んで、ちょうど欲しかったお弁当包みを作ることにした。
あれこれしなくてはいけないことを抱えており、縫い物にじっくり取り組む気持ちの余裕がないことは自分でもわかっているのに「それでも縫いたい!」と始めてしまうやっかいな性格。
(得意なことならまだしもデッサンといい、やりたいのは苦手なことばかり・・・。)

そんなわけで、まずしつけ糸をかけてからこの3日間で少しずつ縫い進めたが下の画像のもの。
お弁当包み
相変わらず、縫い目もそろわずビシッとしない仕上がりだけど、自分の腕としては上出来かも・・・?
反物の幅より大きくしたいので縁をつけた。
そのため端が分厚くなり結びにくいから、スナップ止めにした。

お弁当包み2
元布は20歳頃に自分が着ていた着物。染みも目立つだけに、「失敗しても落ち込みは少ない」と安心して裁断したり縫ったりできる。
(そんなわけで母のもの、特にお気に入りだった上物にはなかなか手が出せない・・・)

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2007年10月27日 (土)

紬が素敵なジャケットに、でも・・・。

母が遺した着物を少しずつほどいて小物などに仕立て直している。
すべて母の手によるきれいな縫い目に、はさみを入れるとき、いつもいつもチクッと胸が痛む。
おまけに残念ながら母に似ずいたって不器用、ちっともすっきりとは仕上がらない。
でも、まぁそのうち腕も上がるかも・・・?と楽観的。(今のところその兆候は見えないけれど・・・)

母の住まいから引き取ってきた着物類の中には、私のものも何点かあった。
虫干しなどの手入れに手を抜く私に代わって、保管してくれていたもの。
その中に反物のままのものがあった。
もみじ柄のシルク紬。
紬
20歳の頃だろうか、とても気に入ってアルバイト貯金から自分で買ったことを覚えている。
必要なときにはいつでも2日もあれば仕立てることができる母の手元に置かれていたけれど、結局「必要なとき」は来なかった。
○十年経っても好みは変わっていないようで、今でもこの柄いきは大好き。
秋のランチョンマットにでもしてみようかな・・・と、広げて考えている内に、突然「そうだジャケットに仕立ててみよう!」と思いつく。
絹は軽く暖か、身にまとうととてもやさしい。

といっても自分にできるわけはないので、プロの手にお願いすることになる。
そういえば服のオーダーメイドは結婚してから初めてかな。

近所の仕立て屋さんに、スタイルなどの希望を伝えたあと数日後に仮縫いの運び。
当日は、「生地もスタイルも自分好み、しかもフィットサイズ」のジャケットに出会える期待にワクワク。
紬のジャケット そしていよいよボディに着せられている仮縫い状態のジャケットにお目見え。
「わぉ~」と思わず声が出たくらい、それは期待以上。
張りのあるシルクにおだやかで細かい柄とシンプルなスタイルがとてもしっくりしている。
仕立て屋さんが「こうしてボディに着せておくと、『いいなぁ』とみんなが言うんですよ」と言って下さるのがお世辞に聞こえない。

ところが・・・、予想外のことがひとつ。
何と、ちっとも私に似合わない!
ボディが着ていると見とれるくらいに上品でステキなのに、どうやらその「上品さ」が私のもちあじと合い入れないよう。
鏡を見ながら「似合ってないなぁ~」とのつぶやきに、「そんなこと、ないですよ」と答える仕立て屋さんの声にも元気がない。
背が高くいわゆる「スラッとしている」私にそれが似合わないことに、彼女もがっくり・・・といったところか。

かくして仮縫いで微調整を経てさらなるサイズフィットは為されたが、「お気に入りの一着」にはなりそうもない。
「着ている内に、似合ってくるかもしれない・・・」と一縷の望みは残しているものの、オーダーメイドのむつかしさは再認識。
反物であった時は「大のお気に入り」であったものを、降格させちゃったようでこの紬にも何だか申し訳ないような気持ち・・・。

必ずしも「実用的」なものにしなくても、見て喜び触って楽しむ存在であってもいいのだ、ということにも気付かされた。

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2007年2月17日 (土)

着物地のクッション

お雛様
今では絹製品も安価なものが流通しているとはいうものの、日常的に手が届くような暮らしぶりではない。
それなのに、毎日のようにその滑らかな光沢としっとりとまとまりついてくる柔らかい手触りを慈しんでいる。

それは母が遺した着物。一枚一枚たとう紙の中に美しく整えられ、ほんのりと樟脳の香りを漂わせている。どれも和裁を職業とした母が自分で縫った。
見ていて飽きない華やかさだけど、しばらく前に数枚を残しすべてほどいてしまうことに決めた。
母が一針一針たんせい込めた美しい縫い目を切りほどくことにチクチク痛みを感じながらも、思いがけずそれは豊かな時間となっている。
ほどいているときの、手ばかりでなく足や身体を覆う絹の感触はとてもやさしく心地いい。
それは例えば、土のあたたかさを感じるぼってりとした器に惹かれたり、無垢の家具にやすらぎを感じたりすることと同質のものかもしれない。

さてそのリフォーム作品。母から器用さを受け継がなかったのは本当に残念だけど、アイデアとやる気だけが頼りどころ。

ほどく時間が大好きだから、ほどかれたものは既に山とたまっている。でも、次の水洗いして生乾き状態でアイロンをかける作業がとどこおり気味。
やっと出来上がったものがあるので、今後の励みにもなるようブログにアップすることにした。

リビングに置いている椅子の形はさまざま。それぞれに合わせて作ったクッション。青色を基調として、綸子とウールの縞お召しを組み合わせた。中袋は長じゅばんをほどいて作り、着物との重ね着?であるところが気に入っている。丸椅子用のものはお手玉と同じ作り方。

トップの画像は玄関近くに置いたクロス。これは若い頃、私が着ていた訪問着。「お雛様も喜んでいるだろうな」と自己満足。
下駄箱の上にもお揃いのクロスを置いた。
クッション1
クッション2

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