『死ぬまでにしたい10のこと』
『死ぬまでにしたい10のこと』イザベル・コイシェ監督のDVDを観た。
23歳のアンは、17歳で子を産み今では2人の母親となっている。
夫はやさしいが経済力はなくトレーラーハウスでの暮らし。アン自身も夜は清掃の仕事に就いている。
そのアンはガン末期で余命2、3ヶ月との宣告を受ける。
一人コーヒーショップで「Things to do before I die(死ぬまでにすること)」を手帳にリストアップしていくアン。
・娘たちに毎日「愛してる」と言う。
・娘たちの気に入る新しいママを見つける。
・娘たちが18歳になるまで毎年贈る誕生日のメッセージを録音する。
・家族でビーチに行く。
・好きなだけお酒とタバコを楽しむ。
・思っていることを話す。
・夫以外の人とつきあってみる。
・爪とヘアスタイルを変える。
・誰かが私と恋に落ちるよう誘惑する。
・刑務所にいるパパに会いに行く。
やりたいことが何一つない、という人生は考えられない。
何歳になってもやりたいことは必ずあるだろうから、訪れる「死」がいつであってもきっと未練いっぱい。
でも少なくとも、今それが自分に訪れたとしても23歳の時よりはずっと受け入れやすい(と思う)
少なくとも私は、アンが記した10項目の意味合いが十分理解できる経験と年齢を既に重ねている。
この10項目には性差や年齢、経験などによって感じるところはさまざまだろうけれど、私には大いに納得、いやそれ以上に感嘆さえ覚える。
映画の原題は『My life without me』
若くして結婚したアンは夫以外の人ともつきあい「やり残した」自己の欲望を成就させていくが、何よりの望みは、自分がいなくなったあとも愛する者たちが幸福であること。
これは、愛する者を残して自分だけが逝くことの恐怖、悲しみ、恨みにとりつかれることのない唯一の救いであるのかもしれない。
愛する者がいること、その者たちの幸せを心から願えること、それだけが死を安らかに迎えさせてくれるような気がする。
もちろんそれは、生きているときも何より安らかさや力となってくれるもの。
「死」のことは機会あるごとにいろいろ考えるが、実は『楢山節考』のおりんばあさんのあっぱれな生きざま、死にざまに大きな影響を受けている。
これからは「死」について考えるとき、この映画のサラ・ポーリー演じるアンのことも必ず思い出すに違いない。
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